Vorspiel の旅④Köln

3/2、Wetzel先生に改めてVorspielのお時間をとっていただき、お会いしました!

 

楽しかったです!前回は、聴講のみで、「自分が受けたらどういうレッスンになるのだろう」と考えながら聴いていたこともあり、発見の多いレッスンになりました!

 

曲はお馴染みのモーツァルトです。この曲は、本当に人によって演奏が全く異なる曲で、その人がどういう方向性の音楽にしたいのかが最も分かりやすいということもあり、Vorspielではモーツァルトをいつも受けています。

 

ヴェッツェル先生の思う第一楽章は、短いスタッカートで、ハキハキと。最近(?)モーツァルトは、「エレガントに、滑らかに」というのが主流になっている気がします。なので、スタッカートが、「息の流れを遮るだけの滑らかなパターン」で吹く人が多いように思います。

ですが、1楽章において、私は、もっとハキハキ切ったパターンが好きだったので、最近の傾向が私にとっては物足りないと内心感じていました。なので、「パキパキしたスタッカートで楽しく」、というヴェッツェル先生のイメージが、私と同じ方向性だったので、とっても楽しくもあり、嬉しかったです!

 

レッスン始めに、軽く通した時、緊張で上手く吹けませんでしたが、それに対して、少し怪訝そうに「緊張してる?」と聞かれ、「はい…でも!楽しいです!」と、私が答えると、先生も、「それなら良かった!」と笑顔で仰りました!

そこから私も少しずつリラックスでき、とても充実したVorspielを受ける事ができました。

 

特に印象に残ったのは、第二楽章の始めの方のmollの部分。短調=pianissimoが一般的で、この曲や時代に限らず、そのように演奏される事が多い気がします。

ですが、私は、「悲しい」「苦しい」といった感情や感覚こそ、抑えることのできないものなのではないかと思います。なので、短調=pianissimoとは限らないと思うのです。

 

今回は、Vorspielということもあり、一般的なpianissimoでその部分を吹くと、先生から、「ここは何調?」とご質問をいただき、「d mollです。短調だからpianissimoだと思いました。」と、答えると、「そう!d moll!急に短調になるよね!モーツァルトの曲ってこういう風にコロコロキャラクターが変わるよね。この部分も一瞬で、次にはもうDurに戻ってる。そのキャラクターチェンジを、pianissimoだけで表現することができるだろうか…?もっとオペラみたいに(登場人物が変わるように)大げさにやっていいのではないかと思うんだ。試しに、突然変わる感じで、もっと大きく吹いてみて!」

 

と、ご意見いただいたのです。いつも、forteとは違うけれど、歌い込むように吹いて、「ここは短調だからpianissimoだよ」と言われていた箇所。今回、意見が一致した事が、非常に嬉しかったです…!

(因みに、ヨナス先生の時には、2楽章までいきませんでした。彼のマスタークラスやレッスンを受ける際には、ぜひご意見を伺いたい、と今回思いました!)

 

勿論、短調で、pianissimoで吹くべき所もあります。ですが、必ずしもそうではないと思います。短調=常にpianissimo。でない、という感覚が一致した、もしくは、「歌い込む短調の箇所」の感覚が一致したのは、日本で師事していた宮本文昭先生以来でした。

 

他の先生方が私に合っていない、という事が言いたいのではないです。他の先生(現在の師匠も含み)は、私とは違った方向で、よく音楽を作られます。その違いが新鮮で、異なる故に、もっと吸収したいと思うのです。見ている方向が違うからこそ、自分の引き出しを増やす事ができると感じます。

だから、今の先生には教わりたいと思い、師事しています。

 

【まとめ】

Wetzel先生も、ぜひ師事したい!と思う方でした!リューベックのヨナス先生が定年退職をされてしまうので、むしろケルンが第一志望校になりつつあります。

 

その後、3/15-20に、Wetzel先生のマスタークラスがあったので、参加しました!その感想は次回書きます!